神谷悠『月迷宮・夏迷宮(白泉社文庫)』

4592886321月迷宮・夏迷宮 (白泉社文庫―京&一平シリーズ)
神谷 悠
白泉社 2003-12

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五年前、京が出会った謎の美少女・月子。十五夜の再開は果たせなかった二人だが、再び満月に導かれて京の前に現れた月子は、美貌が評判のモデルとなっていた! しかし、この出会いが殺人事件の幕開けとなり……。クリスタルに囲まれた『水晶館』を舞台に起こる「月迷宮―水晶館の殺人」他、大学校内で起こった謎の焼死事件「刻迷宮―半獣人の殺人」、一平のふるさとで起こる不可解な事件「夏迷宮―潮騒がききたかった」他収録。シリーズ第2弾。

読了。今年40冊目(小説7、漫画31、その他2)。

やはり本格ミステリのセオリーに沿って描かれているオーソドックスな謎解きは見ていて飽きないし、特別すごいわけじゃないけれど、それが静かな変化をもたらしている。それが長期シリーズであるゆえんなのだろうな、とか思ってみたり。ちょっと次巻あたりからボーイズラブ要素も入ってくるそうでそれが心配なのですが(笑)、息の長いシリーズとなっているので*1、ゆっくり紡いでいってほしいな、と思ってみたり。青春風味はあまり無いけど、なんだかコンビものの良いお手本かと。面白かった。

*1:1991年春にシリーズが開始して2004年5月現在、花とゆめコミックスにして29冊。半年に単行本2冊の割合で文庫化しているので、刊行ペース上文庫版が単行本に追いつくにはあと10年は必要になる(笑)。