「真実なんてものは存在しないんだ。全て嘘か冗句になる」

 蟻のような木曜日従軍慰安婦問題に関する特集番組の放送前にアベシンがNHKに申し入れをしていたそうで、番組の改変については以前学生をしていたときに高橋哲哉さんから直接話を聞いたことがあります。詳しくはNHK「女性戦犯国際法廷」番組改竄・高橋哲哉まとめをご覧いただければ幸いです。相方の高橋もその時受講していて2002年12月25日の『日々是妙日』を参照していただければ分かるのだけれど、その時は単純に右に突き抜けた方々の脅迫としか聞いてなかったのです。まさかアベシン*1が関わっているほど大事になるとは思いませんでしたが。これで高橋哲哉氏を始めとして左に突き抜けた人たちの主張する『番組改変』の証言が裏付けされたということで、おそらく今日起こっているNHK批判はさらに混迷を深めていくでしょう。なお、現在高橋氏らはこの番組改変に対してNHKを相手取り裁判を起こしています*2。高橋氏たちの意図する方向に番組が書き換えられたことによって、『国際女性法廷』を開催た意義を番組上でねじ曲げてしまったからです。この番組の中では従軍慰安婦の問題に天皇の責任はあると結論づけたようですが、そのこと自体は放映されなかったようです。おそらくここに最大の改変事項があるのかも知れませんね。


 ただ、問題が少しずつ変わり、NHKに対する批判が集中する中でこのような問題が発覚してきたことは、マスコミに対する政府の介入の問題があるのでしょう。戦争責任とかどうかはまた別にして、なぜ改変されたのかというよりも改変した事実という問題が今後クローズアップされていくでしょう。おそらくそこには当初あったはずの戦争責任論という言葉は全く無視されて、ただ『改変』という事実のみが一人歩きするはずで。高橋哲哉さんたちはここぞとばかりにテレビ朝日あたりで記者会見すればいいのにねぇ、と勝手に思ってしまいます。ただ、日本の裁判制度は上に行けば行くほど右寄りになってしまっている部分があるからなぁ……(青色LEDしかり)。何でこうも思想的に偏った人が普通に論壇で幅をきかせるのかなぁ、と勝手に思います。どうでもいいお話(いや、どうでもよくないんですけれど)


 『富豪刑事』と『H2』を見ました。しかし、筒井康隆さんをそんなところで持ってくるとは……。そんな感じ。


4101171165富豪刑事 (新潮文庫)
筒井 康隆
新潮社 1983-01

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*1安部晋三氏のこと。

*2:一審では番組の改変は認めたものの、『編集の自由』として原告(高橋氏)側の主張を一部のみ認めた。それを不服として控訴、現在東京高裁にて控訴審が争われている。