宮下英樹『センゴク』4巻(講談社ヤングマガジンKC)
センゴク 4 (ヤングマガジンコミックス) 宮下 英樹 講談社 2005-03-04 by G-Tools |
今年20冊目(小説1、漫画19、その他0)。
浅井長政の裏切りによって撤退を余儀なくされた織田信長軍。木下籐吉郎*1らは殿部隊=最後尾での熾烈な撤退戦を余儀なくされる。いわゆる『金ヶ崎の退き口』である。撤退部隊の最後尾=戦いの最前線で体力が限界に近づきつつあった籐吉郎らの目の前に現れた人物……知将にして後に『戦国最大の謀叛者』と呼ばれることになる明智十兵衛光秀だった……。
さて、『明智光秀の合流』については、そもそも史実でもはっきりと明らかにされていない部分もあり、光秀が殿部隊にいた、という資料はあっても合流したとまでは作中の資料では述べられていない。これはある意味フィクションや歴史上のIFも絡んでくる場面になるんでしょう。そして無事生還したセンゴク*2たちは次の戦い――裏切り者・長政の始末へ向かう。地獄を生き抜いたセンゴクだが、既に次の戦いは始まっていました。坂井久蔵という弟分というべき存在もできますが……*3。センゴクがたくましく成長していく描写が如実に表れているのが本巻なのですが……相変わらずの様な気もします(笑)。成長していく物語と捉えるのもアリですが、やたら読んでいると熱くなってしまう辺りが熱血ポイントだなー、と思います。
それにしても、この辺を扱う歴史資料で余り見かけないのが『お市の方はどーだったのか?』ということですが、これが作中だとなかなかの策士です。実は一番暗躍しているような気もなきにしもあらず*4。この先の彼女の運命はご存じの通りですが、その場面になった時の彼女の内面描写も見てみたく思います。それに対する長政の小心者っぷりが上手く比較されているあたりも興味を引きましたね。大変面白かったです。