浅田寅ヲ『パイドパイパー』4巻(幻冬舎バーズコミックス)

4344805356パイドパイパー 4 (バーズコミックス)
浅田 寅ヲ
幻冬舎 2005-03-24

by G-Tools

今年24冊目(小説2、漫画22、その他0)。

 自警団・357の少年たちに囲まれた夏比古と順。一方、高橋亡き後の357二代目総括・小春に襲われた尼龍(ナイロン)。ついに始まった全面戦争、そこに現れた意外な人物とは。無国籍バイオレンスアクション・第4巻。


 わーい浅田作品二ヶ月連続刊行だよう(と喜んでおきましょう)。

 とはいえ、この作品を途中から読み始めてもわけ分からないことはこの上ないし、そもそも浅田作品それ自体が一見さんを拒絶する構造になっているから、かなり難しい作りになっていることは分かり切っているんだけど。↑のあらすじだって3巻をひっくり返してやっと書けたぐらいだし。この人の新刊を読むときは、必ず前の巻から通読して読むことをオススメします。あとで一気読みで再読しよう。


 で、相変わらずとんでもない方向から伸びてくる擬音や、突然のように出てくる小ネタは満載。どこに小ネタが隠れているかを探すだけでも楽しいです。極めつけは『イッパツマン』かなぁ(笑)。

 ストーリィ的には、前回で偽瑛二の正体が分かったけれど、彼とはまた別の方向から何者かが手を伸ばす。夏比古と親友で自身の最期を託した高橋とは真逆の、むしろ武闘派中の武闘派と称される小春の登場によって、ストーリィはさらに混迷の方向に向かっています。多分落としどころはきっちり定まっているのでしょうが、どうなるのかなぁ。瑛二が突拍子もない行動に出たことも今後にさらに影響しそうですし。むしろこの人、一つも突拍子もない行動しかしていないような気がするのですが。今後も最重要人物になるかも。次巻が楽しみです。