はやみねかおる・えぬえけい「名探偵夢水清志郎事件ノート」2巻(講談社KCデラックス)

4063720063名探偵夢水清志郎事件ノート (Vol.2) (KCデラックス)
はやみね かおる
講談社 2005-04

by G-Tools

今年32冊目(小説2、漫画30、その他0)。

 「笙野ノ里には魔女がいる……」推理ゲームを企画して町おこしをしよう! そんな企画を打ち立てた雑誌編集者に半ば無理矢理つれられて笙野ノ里にやってきた夢水元教授と亜衣・真衣・未衣の三姉妹。しかしそこで教授を待ち受けたのは、『魔女』からの挑戦状だった。次々と襲われる人たち。空を飛ぶ人影、そして密室での襲撃……果たして教授はこの謎を解き明かすことはできるのか? ドラマ化もされた大ヒットジュヴナイルミステリ、漫画化第二弾。有名な『消える足跡』『幽霊のシュプール』の謎に教授が挑む前日談も収録。

 いやぁ、これは素晴らしい。僕は相変わらず原作を未読だったりするので、まさかここまでガチガチの古典的本格をやっていただけるとは思いもしませんでした。しっかりと『読者への挑戦状』が挟み込まれていたにもかかわらず、ちょっと考えれば真相を看破出来たにもかかわらず、あっさりと騙されました。んー、不覚。実は○○(伏せ字)が出ない、というのもトリックの構造に組み込まれていて、感心することしきりでしたね。

 物語としては予定調和ではあります。ですが、ラストの切なさ、あるいは残酷さはジュヴナイルミステリとして一つの枷になるところを、上手くコントロールしているような気がしました。原作も読んでみようっと。大変面白かったです。