松井優征『魔人探偵脳噛ネウロ』2巻(集英社ジャンプコミックス)

4088738543魔人探偵脳噛ネウロ (2) (ジャンプ・コミックス)
松井 優征
集英社 2005-09-02

by G-Tools

 読了。今年37冊目(小説4、漫画33、その他0)。今年は本当に本読んでないな。まずいな。

 謎を捕食する魔人・ネウロと大食らい女子高生・弥子が謎を解く娯楽推理漫画、「事務所編」と「アヤ・エイジア編」を収録。


 実は事務所編は何回か読み返したけど未だに良くトリックが分かっておらず、アヤ編も気を失わせる時に誤って殺してしまったらアウトじゃないかという偶然に頼った部分はあるんですけれど、この漫画ではトリックは二の次で、画面全体に現れるグルーヴ感を楽しむのが一番よい方法なんじゃないかな、と僕は思います(多分ネウロをトリック目当てで読んでいる人はいないだろうけど)。


 で、相変わらずのおまけも満載。弥子パパはママに殺されるか刑事に殺されるかの違いだったってーのがにんともかんとも(苦笑)。普通にこの人は米を洗剤で研いだりしてるんだろうなぁ。たまに実在するんですよ、既に絶滅したかと思ってるんですが。


 今回、アヤ編には犯人の動機について詳細に紡がれており、その動機は少し考えれば読者の前に明らかにされるものであります(ネウロの決めぜりふを引用するなら、ネウロはストーカー逮捕前に犯人の正体を見破っていたことになるのですが)。弥子はある意味読者の投影なわけで、弥子が分かる=読者にも分かるだろう、というのを作者さんは想定していたんじゃないかな、と思うわけです。同時に、今まで犯人の動機に興味の無かったネウロ自身に変化をもたらす話でもあり、今後の話の広がりを予感させるものであります。大変面白かったです。今後、惰性におもねらず、いろんな意味で突き抜けてくれることを期待しています。


既刊感想→『魔人探偵脳噛ネウロ』1巻