フは復讐のフ
これではブラッドベリになってしまう日曜日。そんなわけで、Vフォー・ヴェンデッタを見に行きました。原作はアラン・ムーア:原作、デイビッド・ロイド:漫画のコミックス(下記書誌情報参照。フルカラー300ページ。厚いよ!(笑))。脚本はマトリックスでおなじみのウォシャウスキー兄弟、主役のVを演じるのはそのマトリックスシリーズの100人スミスことヒューゴ・ヴィーイングですから俄然気合が入ります。主演女優のナタリー・ポートマンって、「アミダラ王女」だったんだ、とか感心したり、スティーブン・レイって何処かで見たことある気がするのに思い出せなかったり。
V フォー・ヴェンデッタ (SHOPRO WORLD COMICS) アラン・ムーア 小学館プロダクション 2006-04-21 by G-Tools |
「ハッピー・エンドなの?」
「映画だからね」
見終わってから考えると、劇中でVとイヴィー(ポートマン)が「巌窟王(モンテ・クリスト伯)」を見ながら交わした台詞がとても意味深に思えてきます。張り巡らされた伏線*1とこれでもかと繰り出される蘊蓄(戯言でも可)、常人の動き方ではないナイフさばき、そして最後に出てくる100人のVとかは、「あー間違いなくマトリックスのルーツだなぁ」と感じるのに十分であります。てか、Vが鬼畜過ぎて感情移入できない部分もあることにはあったのですが、マトリックスのネオ除け以外のところに関心を持った方々には楽しめるかも知れないなぁ、と思う限りであります。あとは議長が風貌はカストロさんっぽいのに名前がヒトラーに似ているのはどうにかならないのかなぁ、と思ったり思わなかったり。
この映画の中でやっぱり僕が一番好きなのは、スティーブン・レイ演じるフィンチ警視かなぁ。彼のおかげでVの復讐劇・イヴィーの成長劇に加えて倒叙ミステリの側面も見えて、フィンチ警視が全ての真相に気づく瞬間は、同時に全ての劇中の伏線がつながる瞬間でもあります。このパズルがはまった瞬間、というのはやはり何物にも代え難い興奮を同時に感じるもので、この瞬間が映画全体を通して一番燃える(萌える?)瞬間でもありました。普通の人はラストのクライマックスを見てゾクゾクしちゃうんでしょうがね*2。いや、もちろんラストの大爆発も快感ですよ。大変面白かったです。
まぁ、GWのラストをこういう映画鑑賞で締めくくれただけでも良しとしましょう。うーん、今書き直している「踊ル人形」にも少なからずの影響を与えてしまうかも知れないなぁ、と思ってみたり。うーん、どうなんでしょうか。そんな感じで今日はおしまい。愛・蔵太さんの「匿名コメントは是か非か」とか、東浩紀VS夏葉薫・前島賢をスズキトモユさんの話を参考にしながら横から生暖かい目で見るとか気になる話は多いんですけれど、それは追々。明日以降かなぁ。