僕らは誰も待っていない

 ずるずる水曜日。耐えきれず耳鼻科に行ってみましたが特に新たにアレルギー止めのクスリをもらっただけで成果は出ず。しかもあんまり効かないなぁ……。当分は花粉症にもよく似た症状に苦しむことになりそうです。


 映画『半落ち』をテレビで見ました。アルツハイマーに冒された妻を殺害した元刑事。彼が自首してきたのは殺害から三日経ってからのことだった。果たして、『半落ち』を固持し続ける彼の真意は……? ミステリ仕立てにはなっているけれど、空白の二日間の謎は明かされてみれば、という話で、この物語の主題は尊厳死なんじゃないか、と勝手に思ったりする。くしくも丁度今、ひとりの女性に尊厳死をさせるべきかどうかがアメリカを挙げての大論争になっている。国家が判断を下せないなら、おそらくフィクションの世界でもこれ以降何が正しいかなんて判断出来ないんじゃないかと思う。『半落ち』の中でも何が正しいかなんて誰も判断していないし、その後世間がどう判断を下したかなんて一言も言っていない。もちろん、それは当事者の話し出し、最後の『誰にも裁くことは出来ない』という言葉に集約されることは明らかなんだけど。生命の問題は高度に哲学的な問題でもありますので、一概に結論を出すのは極めて難しいかと思うのです。久々に考えさせられる話でありました。面白かった。