はやみねかおる・えぬえけい『名探偵夢水清志郎事件ノート』(講談社KCDX)

4063349535名探偵夢水清志郎事件ノート (Vol.1) (KCデラックス)
はやみね かおる
講談社 2004-12-15

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今年11冊目(小説0、漫画11、その他0)。原作未読。ベストセラージュヴナイルミステリのコミック化*1

この男、自称“名探偵”、夢水清志郎!!

亜衣の家のとなりに引っ越してきた男は、わがままでだらしなくて、すっごく変わり者! その名も、名探偵(!?)夢水清志郎・・・。遊園地で起きた「人間消失事件」のナゾを解くべく天才魔術師“伯爵”との頭脳勝負にいどむ!!

まず何より作者の遊び心もさることながら、三人をしっかりとかき分けられているところが素晴らしい*2。そして何より、(好みは分かれるかも知れませんが)ネコ属性の教授の描写が素敵です(笑)。それはさておき。

コミカライズなので内容に言及するのは野暮かと思いますが、どうしてどうして、犯人その他は結構想像が付くものの、「どうやって消えたか?」を説明するトリックは緻密に計算されており、すとんと落としどころを満たしている。ある理由から教授は謎解きを先延ばしにするのだが、それも全て計算のうち。「みんなを幸せにする」という優しいスタンスが全編に貫かれており、楽しませていただきました。大変面白かったです。

*1:実は、冒頭の『名探偵登場』は箸井地図さんも『ファウスト VOL.4』にてコミック化(しかもほぼ同時に!)しているので、読み比べてみるといいかもしれません。

*2:遺伝学的に一卵性の三つ子はあり得るのか? という考えも浮かんだけれどあるんだそうな